ピエタリ・インキネン指揮 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
次期首席指揮者ピエタリ・インキネンが客演首席指揮者就任披露公演のライヴ録音がこれ。ぼくがインキネンの演奏を初めて聴いたのは2004年春、香港フィルとの共演でした。当時、こんな印象を書き残していました。
>>>
急な予定が入ったり出張があったりで1月以来久々に香港フィルを聴きに行きました。予定の指揮者は尾高忠明さんだったのですが、急病のために替わって1980年フィンランド生まれのピエタリ・インキネンって指揮者が振りました。尾高さんとは数年前香港フィルを振られた際、香港の日本人向け週刊新聞のインタビュー記事を僕が書いたので、その関係で昨年12月大阪フィルを振った際に「春には香港でまた再会しましょうね」ってお話をしていたのに、残念・・・。代役のインキネン、演奏前に香港フィルのサイトで確認したところ、ヴァイオリニストとして数々のコンクールに入賞、また指揮者としても活躍し北欧の有名オケを指揮しているそうです。今晩のプログラムはフィンランディア、ブラームスのダブルコンチェルトとショスタコヴィッチのSym.5。ダブルコンチェルトはソロイストがいまいち(香港フィルのトップ)だったのですが、フィンランディアとショスタコは非常にすばらしかったです。旋律やテンポの陰影に富んでいて、くすんだ響きの作りは20代の演奏とはとても思えませんでした。とりわけショスタコの5番は3楽章以降は緊張感がみなぎり、固唾をのんで演奏に聴き入りました。最初は二足の草鞋(わらじ)みたいな音楽家か、と思っていましたがどこかでブレイクする可能性を秘めています。注目ください。なお日本にはヴァイオリニストとして来日をしているようです。
>>>
あらら、香港フィルのソリストについてはブツブツ書いていますね。先日N響のコンサートを実に28年ぶりにNHKホールで聴きましたが、終演後に指揮をされた尾高忠明さんとお話をしました。2003年に大阪でお会いして以来なのに、僕を見るなり尾高さん『香港からお越しになったのですか!?』と。いやぁ~指揮者の記憶力はすんごーいですね。そんなこんな思い出があるインキネンのショスタコの5番が日フィルの自主CDで出ているのを、尾高さんとN響のコンサートを聴く前に店頭で知って(見つけて)びっくり。もちろん買いましたですわよ。10数年前の香港フィルとの代役指揮とは全く思えない素晴らしい演奏をこの日フィルとのライブCDを聴いて思い出しましたわ。